ギリシャは、世界最古のワイン産地です。
ギリシャ神話の中で、酒神として有名なディオニュソス(英語名でバッカス)はブドウ栽培、醸造技術を会得してそれを人間に教えたとか。
古代ギリシャ人は、シンポジアと呼ばれる社交行事で哲学を語り、ワインを飲んだそうです。そのワインをサービスしたのが、ソムリエの原型となる「エノホイ」。
アンフォラにワインを詰めて松ヤニで封をし海外へ輸出をしたそうで、この際に原産地を守るワイン法が発達したといわれています。
ただ、ギリシャワインは国内での消費がメインとなっていて、世界ではフランスやイタリアほど産地としての知名度はないのが勿体ない話です。
普段私が飲むワインは、フランスのブルゴーニュやシャンパーニュが多いので、たまに無性に違う産地のワインが飲みたくなります。
ギリシャのワインは、数が少ないので、出会った時は飲むタイミングということで。
猛暑の日に、ドメーヌ・カラニカのアシルティコを冷たく冷やしていただきました。
ヨーロッパやアメリカで修業したローレンス・ハートマンが、マケドニア地方アミンデオンでクシノマヴロの可能性を追求するワイナリーです。
エーゲ海の島々や沿岸部は暖かいけれど、北部マケドニア地方のアミンデオンは特に寒く、冬にはスキーが楽しめるほどの雪が降るそう。
外観は黄金を垂らしたような、輝く黄色。
レモンやグレープフルーツなどの柑橘系の香り、その中にミネラルと、少しオイリーさも感じられます。
アタックは軽やか、キュッなるくらいキレのいい酸。完熟した八朔のような果実味が心地良い。レモンをきかせたカルパッチョと良く合いました。
寒い産地で育てられたブドウらしく、イキイキとしたフレッシュな酸が特徴的な白ワイン、暑い夏にこそ飲みたいワインです。