お酒はコスパの悪い娯楽?

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先日の新聞で、興味深い記事を見つけました。
厚生労働省の調査によると、20代の飲酒習慣は「あり」が7.8%、「なし」が92.2%。
20代以上全体の「あり」が20.5%なのに対して、かなり飲酒に消極的ということがわかります。

「飲めるけれど、あえて飲まない」という20代~30代が増えているそうです。
若者世代は、スマートフォンなどの娯楽の幅が広く、お酒は「コストパフォーマンスの悪い娯楽という考え」があるのでは?と指摘されていました。
ただ、「飲まない」は世界的な流れらしく、心身の健康のためにあえてお酒を飲まない考えが欧米を席巻していて、英語でSOBER(酔っていない、しらふ)とCURIOUS(強い好奇心)を組み合わせた造語「ソバーキュリアス」があるらしいのです。
そういえば、少し前に知り合った若き料理人は、ご両親は日本人ですが外国で生まれ育ったため、大変幅広い視野を持っていて、私は刺激を受けました。
「日本はヘルス(健康)について、とても遅れていると思う」と話していたことが印象的でした。

これからは、バーはくつろぎを提供する場所となり、アルコールの度数を気にせず好きな飲み方ができるようにと、微アルコールのお酒が販売されたりしていくのでしょう。
いろんなスタイルを選択することができて、楽しみの間口が広がるのは良いことだと思います。

が、私は、コスパの悪い娯楽を選んで生きております。。。

最近飲んだ中で美味しかったワインは何と聞かれたら、迷わずドメーヌ・ヴァシュロンのサンセール・ブラン “レ・ロマン”と答えます。ソミュールのクロ・ルジャール、プイィ・フュメのディディエ・ダグノーと並ぶ、フランス、ロワール地方で最も著名な生産者。
1900年代に1haのブドウ畑からスタートし、ワイン産業の発展とともに畑を広げ、2代目は「レ・ロマン」の丘陵地の畑の整理統合を行い、1962年からはAOCサンセールの栽培者組合の長を務めました。現在はオベール・ド・ヴィレーヌの元で経験を積んだジャン・ローランと、シャトー・ヌフ・デュ・パプで働いたジャン・ドミニクが4代目としてワイン造りを継承しています。

ブラインドで飲んだら、ソーヴィニヨンブランと気付かないかもしれないくらい、シブレットのような典型的な香りがありません。
バランスが球体で、すごく上品な味わいです。アフターに少しの塩味が感じられます。
静かに体に染みわたり、どこまでも優しい。派手ではないのですが、じわりと存在感を出してくる、力強いワインです。
ブルゴーニュの白ワインが好きな方は、ハマるはず。きゅうりの冷製ポタージュと、抜群の相性でした。
ソムリエさんも、白ワインで一番好きな造り手ですと仰っていましたが、その気持ちが今本当によくわかります。
忘れられない味わいでした。