ワイン選びは悩ましいものです。
「お店に行って自分の希望を伝えても、なかなか希望通りのワインに出会えることは難しい。POPの文字だけで判断することは、もっと難しい。」
お客様からこんな声を聞く機会がありました。
ワインショップで働いているときにお客様と接していて強く感じたことは、まず「自分の好み」を知る必要があるということです。そしてそれを相手に伝えるときに、抽象的な言葉を使うとなかなかうまく伝わらないことが多いです。
たとえば、よく使われるのが「飲みやすいワイン」という言葉。飲みやすいと感じるのは人によってさまざまで、私にとって飲みやすいものでも相手にとってはそうではないことはたくさんあります。
聞き手はそこを上手に引き出して、お客様のお好みを探っていき、きっとこれだというワインをお勧めし、納得して決めていただくという行程を丁寧にやらねばなりません。
が、伝える側ももう少し自分の好みを知ってわかりやすく相手に伝えることができると、ワイン選びはより楽しいものになってきて、お店に行って相談するのもワクワクしてくるものだと私は思います。
私が昔、自分の好みを知りたいと思って実行したことは、地図を持ってきて、美味しいと思ったワインの産地に〇をつけたことです。ワインを飲むたびに地図に〇をつけて、最終的にそこが真っ黒になるくらいになったので、ここの産地のワインが好きなのだと知ることができました。
そしてそれをレストランでワインを飲むときや、ワインショップでワインを買うときに、お店の方に伝えるようにしました。これらのことを伝えると、ソムリエさんの表情がパッと明るくなったのが記憶に残っています。その時に、伝える側も努力は要るなと実感しました。
自分の好みがわからないというお悩みをお持ちの方に、ぜひやってみていただきたい地図の〇つけです。