死ぬまでに一度は飲んでみたいシャンパーニュのひとつ、アラン・ロベール。
サロンやクリュッグと並ぶブラン・ド・ブランの生産者です。
最高のシャンパーニュが造られるというル・メニル・シュール・オジェ村で17世紀からの歴史を持つRM(レコルタン・マニピュラン)。
伝統的な造り方を最後まで行った職人気質の持ち主で、「良いシャンパーニュを造るのに時間がかかるのは当然のこと」と語り、デゴルジュマンは受注してから行うというこだわり。
収穫は丁寧に行われ、通常1週間で終わるところを10日間もかけ、完熟したブドウのみを選別。
そのためブドウの糖度が高く、シャンパーニュ地方では珍しくシャプタリザシオン(補糖)をしないそう。
残念なことに1990年が最終ヴィンテージとなり、現在畑は売却されています。
入手は極めて困難で、幻のシャンパーニュとなりつつあります。
どうしても飲みたい場合は持っている人に頼るしかなさそうな、そんな貴重なシャンパーニュをいただく機会に恵まれたので、これは記しておきたいと思いました。
琥珀に近い黄金色。泡もまだしっかりと残っています。
酸化しすぎず、ちょうどいい熟成感。
蜂蜜やヘーゼルナッツ、白トリュフやトースト香が感じられ、本当にまろやかでクラシカルな味わいです。
飲み心地がすごく良くて、余韻が長ーく続きます。
瓶底部分を豪快に注いでいただき、そこは旨味のかたまりでした。
言葉では言い表せないくらいの驚愕の美味しさで、酔いも覚める。
今でもその味わいを思い出せるくらい、強い印象を残した芸術作品です。
死ぬときに思い出すシャンパーニュかもしれません。