シャトー・ディケム、最高峰の甘口ワイン

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フランスのボルドー地方、ソーテルヌ地区。ガロンヌ川の左岸に位置し、恵まれた気象条件から貴腐菌が発生するため、甘口ワインが生み出されるところです。
ブドウが熟す秋、合流するシロン川とガロンヌ川の水温の違いによって霧が発生し、畑を覆います。
午後には太陽の光を受けて温められ、ボトリティス・シネレア菌が発生。この菌の菌糸により、ブドウの果皮に穴が開いて水分が蒸発し、果汁の中の成分が濃縮されます。

甘口ワインは、「いかにブドウの水分を抜くか」、がポイントだそうです。

この「貴腐」と呼ばれる状態のブドウから造られる、黄金色をした甘口ワインが類まれな長期熟成をする、世界最高の貴腐ワインです。

1855年のパリ万博の際に、メドック地区の赤ワインとともに、ソーテルヌ・バルサック地区の甘口ワインも格付けが制定されました。その格付けの頂点であるプルミエ・クリュ・シュペリュールに格付けされたのが、このシャトー・ディケムです。

独特の黄金色と、特有の香り。

甘口ですが、ベッタリとした甘さではなく、品のあるさらりとした味わいです。お砂糖で例えると、和三盆のような、そんなイメージです。
そして、しっかりとした酸とミネラルがあるからこそ、この極甘口のワインが素晴らしいバランスで口の中に広がるのだと思います。年月を経てもまだ強靭な存在感を放つしなやかな酸。

一度魅了されたら、記憶の中に留まって決して忘れることのできない香りと味わいです。