「クレマン」という名のついたスパークリングワインをよく見かけます。
それは何かというと、シャンパーニュ地方以外のフランス国内産地において、伝統的な製法で造られるスパークリングワインの総称のこと。そしてそれは、それぞれの産地の代表品種で造られています。
暑い日には、泡が飲みたい。でも、シャンパーニュは高価だし躊躇してしまうなぁ、お料理も気合いを入れなきゃ…というときに、この「クレマン」を選べば、肩の力を抜いていい感じで楽しめます。
伝統的な製法を簡単に言えば、瓶の中で二次発酵を行い、泡を閉じ込めて熟成をさせる方法です。
そして移し替えずにその瓶のまま出荷するので、泡がワインに溶け込み、繊細な味わいのスパークリングワインが出来上がります。この製法で、フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインが「シャンパーニュ」です。
フランスの、アルザス地方で造られるこの製法のスパークリングワインは「クレマン・ダルザス」と呼ばれます。アルザス地方はフランスワインの名産地のひとつです。標高が高く、多様でエレガントなワインが造られ、あの細長いボトルを見かけるとついつい嬉しくなってしまう、美味しいワインの宝庫です。
シャンパーニュのような繊細な泡を、美味しく味わえて、懐が痛まない。
合わせるお料理は、気合をいれなくても大丈夫。
お野菜と鶏肉を蒸してオリーブオイルと塩コショウをしただけの簡単なものや、天ぷらや唐揚げなどの揚げ物と、相性は最高です!
このクレマン・ダルザスのパイオニア的存在の生産者のひとり、ジャン・ユタール。
42ヶ月もの長い間、瓶内熟成をしているところが、凄い。(熟成期間は、規定ではクレマンは9ヶ月以上、シャンパーニュのノン・ミレジメで15ヶ月以上ですから、42ヶ月は本当になかなかできないことです。)
味わいはキリッとしていて、ドライ。でも豊かな果実味と酸のバランスが良く、余韻が長い。
良い年にしか造られない、希少なクレマン・ダルザスです。