ブルゴーニュワインの生産者「ドミニク・ローラン」の来日セミナーが開催され、
参加させていただく機会に恵まれました。
ドミニク・ローランといえば、マジックカスク!
どんな話が聞けるのかと、ワクワクしながら行きました。
来日されたのは、ドミニク、息子のジャン、娘のマリーの3人です。
彼らの熱い想いを聴きながら、2021年のワインを5種、試飲しました。
最も心に残ったのは、ヴィエイユ・ヴィーニュ(樹齢50年以上の古木)への愛と、樽、全房発酵、
そして、2021年という厳しいヴィンテージのワイン醸造についての話でした。
たとえグラン・クリュの畑だとしても、畑全体が素晴らしい訳ではないらしいです。
その中で良い区画を所有するということが特に大切で、そこで古いブドウの木を使っているかどうか、それを見極めて畑を購入することを教えてくれました。
アンリ・ジャイエを師に持ち、それ故、樽の話も熱かったです。
最初は樽を買っていたそうですが、思っている通りに作ってくれないので自分で作るようになって、自社工場を建てたというこだわり。
最近の樽工場で働く人は、木を知らない。私は、森へ入って自ら木を見つけてきて樽を作っているんだという強い思いを話してくれました。
全房発酵は非常に難しく問題がたくさん起こるため、醸造家を悩ませるそうですが、それを克服して素晴らしいワインを目の前に届けてくれました。
試飲したワインの中に、100%全房発酵のワインもありました。注がれたときは、まだまだ閉じていて固い印象でしたが、時間が経つにつれてどんどん開いていき、香りと味わいの変化を感じました。ですから良いワインほど、ゆっくりとグラスの中で変化をしていくのを楽しむべきだと思います。がぶがぶと飲むものではないということです。
試飲したのは、次の5種類のワインです。
①ドメーヌ・ローラン・ペール・エ・フィス Pommard Vignots 2021
とても繊細でフレッシュ。最初は閉じているが変化していくのを感じて欲しいと言われたので、セミナー中少しずつ味わいました。(参考小売¥15,500)
②ドミニク・ローラン Pommard Rugiens V.V.2021
一番色濃いワインでした。香りもベリー感が全面に出ています。時間が経つとフレッシュな果実をそのまま食べているような瑞々しさも感じました。(参考小売¥17,700)
③ドメーヌ・ローラン・ペール・エ・フィス Nuits Saint georges Les 4 vignes 2021
バラとか牡丹の花の香り。味わいはものすごく繊細です。軽やかでチャーミング、アフターに樽を感じました。良い飲み心地です。
全て除梗。トロンセの樽が良い働きをしているとのこと。(参考小売¥15,200)
④ドメーヌ・ローラン・ペール・エ・フィス Nuits Saint georges Les 2 cerisiers 2021
最初、ものすごく閉じていました。こちらもフレッシュなバラの香り。その後、どんどん良くなりました。一番変化が感じられたワイン。
100%全房発酵。二酸化硫黄を足していないそうです。樽を使ったのがわからないくらい溶け込んでいます。(参考小売¥19,000)
⑤ドミニク・ローラン Nuits Saint georges 1er Cru Rue de Chaux V.V. 2021
チェリーのようなニュアンス。デリケートで味わいもかなり繊細で固い。
澱と一緒に熟成させたワイン。例えるなら澱が母親で子供がワインで、澱がワインに栄養を与えるため、
母である澱から離してしまうと子であるワインが育たないと考えているそうです。(参考小売¥16,600)
もっとブルゴーニュのワインを勉強したい気持ちがふつふつと湧いてきました。
約2時間、たくさんの熱い話を聞けて、充実した時間となりました。