ルフレーヴと並ぶピュリニー最高峰の生産者、エティエンヌ・ソゼ。
1975年に亡くなり、孫娘の夫ジェラール・ブードが跡を継ぎます。
その後、相続問題で所有畑が縮小し、買いブドウによるワイン造りを始めることになるのですが、その素晴らしい品質は維持されていて、ドメーヌの看板をおろしても変わらないと言われています。
そこにどれほどの努力が隠されているのか、想像しただけで私は感動してしまいます。
そして現在は、引退したジェラールの跡を娘婿のブノワ・リフォーが引き継いで更に良くなったという話を聞きます。聞くだけで、なかなか口にすることのできない希少なソゼ。
先日、幸運に恵まれてそのワインを味わうことができました。
エティエンヌ・ソゼ ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ シャン・カネ 2018
1級畑のシャン・カネは、ピュリニー・モンラッシェ村の北の端っこにあります。隣はムルソー村の1級畑ペリエール。
豊かなミネラル、しっかりとした骨格と迫力を感じる味わいで、樽の風味が上品で心地良い。
初めてソゼを飲んだのは8年くらい前、2013年のバタールモンラッシェ、柔らかくてスッと身体に入り込むようなワインでした。
このシャン・カネはそれよりもミネラルが強く、凛としています。飲んでいて背筋が伸びる、そんな印象です。そして飲んだ後の余韻はずっと続いてなかなか消えません。
この、余韻を感じている時間は、ワインを好きだと改めて思う時間でもあります。
幸運な出来事は感謝の気持ちとともに、これからも書き留めていきたいと思いました。