イグレック「Y」は、シャトー・ディケムが造る、甘口ではない辛口の白ワイン。
かつてはディケムが造られなかった年に、貴腐化しなかったぶどうで1959年から造られているワインです。
2005年からはより辛口となり、毎年リリースされています。
ボルドーの白ワインは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドで造られていて、
透明感がありすっきりとして爽やかですが、樽の風味が複雑さを与えるため力強くも感じられます。
ソーヴィニヨン・ブランは、フランスではボルドー地方とロワール地方で主に造られ、青いハーブのような香りのするアロマティックなワインとなります。
ワインスクールで香りの表現として学んで驚いたのが、「猫のおしっこ」でした。
猫を飼ってはいないのでそれがよくわからなかったですし、口に入れるものをそのように表現するのにとても抵抗があったことをよく覚えています。
なので、青いハーブやシブレット、グレープフルーツの白いところのような香り、駆り立ての芝生のような香りなど、言葉を選んで表現するようにしています。ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランにはあまり青い要素がなくトロピカルフルーツのような香りが前面に出ているものもあります。
ハーブや青い要素のあるお野菜と良く合います。
私がよく作るのが、サーモンとアボカドの前菜。セロリの葉を乾燥させて粉末にしたものを振りかけて、よく冷えたソーヴィニヨン・ブランと合わせるととても美味しい。
イグレック・ド・シャトー・ディケム 2009
ドライパイナップルや、熟したキウイのようなフルーティーな香り。
アタックはやや力強く、白ワインですがボリュームのある味わいです。
樽の風味がほんのりディケムと同じようなニュアンスで、面白い1本です。