ブドウ栽培において、ビオ、有機栽培、オーガニックなど最近よく耳にしますが、どういう違いがあるのでしょうか。自然に寄り添った農法は、大きく分けて3つあります。
●「リュット・レゾネ」と呼ばれる、出来る限り農薬を使用しないでブドウを栽培する農法。害虫はそのまま様子を見ながら生かしておき、深刻な時以外は農薬も化学肥料もNGな栽培をします。
●オーガニック農法=ビオロジック
オーガニックワインとは、各国のオーガニック認証機関の基準を満たした方法で造られたワインのこと。栽培者は、農薬、化学肥料、殺虫剤は使ってはならない。天然由来の成分でつくられた農薬や、肥料を使います。そして、周りの畑の農薬を遮断する対策をして自分の畑を守ります。また、醸造の工程で使う二酸化硫黄の量に、厳しい制限があります。
●ビオディナミ農法=バイオダイナミック農法
これは、自然に寄り添った究極の栽培方法です。
オーストリアの哲学者「ルドルフ・シュタイナー」によって提唱された農法で、農薬・化学肥料・殺虫剤の使用は禁止、月や星の動きと太陰暦のカレンダーで種まきや苗植え、収穫などの時期を決めます。そして、牛の角に詰めた牛糞を使うなど、初めて聞くとちょっと理解ができそうにない調合剤を使います。
この農法の効果については、いろんな意見がありますが、世界各地の数多くの生産者が実践し、熱狂的なファンが増えています。世界的に知られている有名なワイン、ロマネ・コンティでも採用されている農法なのです。
これらの農法や醸造法は、畑や人間の健康にとって間違いなく良いものですが、認証を得るためには資金も努力も必要だということも、合わせて覚えておきたいです。