2日目は、5月27日土曜日の16時から。
この日の会は3日間のうち、一番男性率が高かった会です。
いろんな方面から、普段接する機会のない方々がこの部屋に集まり、何とも言えない良い雰囲気が作り出されていました。
今回、しらすとともに仕入れた泉州の泉だこ。
弾力があって噛みしめるほどに旨味があふれ、火を通しても小さくならないのが魅力です。
その泉だこを空豆とともにエスカルゴバター焼きに。
合わせたワインは、ヴェルメンティーノの白ワインです。
地中海のリゾート地で知られるサルデーニャ島やコルシカ島で古くから造られる固有品種。
海に近いところで育つブドウなので、魚介類との相性は抜群です。
にんにくとワインは合わせるのが難しいけれど、このワインなら大丈夫です。
エスカルゴバターの香りと、温かいお料理が嬉しい。
トークのお題は、「最近行った旅行先と、これから行きたい旅行先」。
2日目のメンバーは人生経験豊富な方が多かったので、旅の行き先もちょっと深い。
アフリカやインドの話など聞き出したらずっと聞いていられる、そんな感じでした。
そしてニッチなワインの代表選手、サヴニエールのワインです。
ロイック・マエ セクティルス・テラ 2009
フランス、ロワール地方のAOCサヴニエールは、卓越したシュナン・ブランの産地といわれています。
その昔、サヴニエールのシュナン・ブランは、モンラッシェと並ぶ白ワイン最高峰の産地といわれ、その伝統があるために土壌や土地の個性について改めて考えたり取り組んだ人がいませんでした。
そこに、ニコラ・ジョリーが現れて家族のワイナリーを引き継ぎ、ビオディナミ農法の創始者であるルドルフシュタイナーの書物に出会います。彼は畑をすべてビオディナミ農法に転換していき、彼の情熱に引き寄せられた生産者たちに影響を与えました。
現在、このサヴニエールはビオディナミ農法の拠点となっています。
この地で生まれるシュナン・ブランは、力強い酸と濃度のある旨味を持ち、熟成するとさらに強いミネラルを感じられます。
日本では、ロワール地方のワインというとサンセールやプイィ・フュメが選ばれがちなため知名度は低いのですが、本当に素晴らしい白ワインが造られているのです。
ロイック・マエは、2000年にスレート土壌の素晴らしい区画を引き継いだドメーヌです。
引き継いだときはブドウの木は1本もなく、そこからブドウ畑を再構築したり、増やしたりと努力を重ねてきた生産者です。
2009年は、選別されたブドウによって造られた特別なキュヴェ。
熟成したシュナン・ブランは、複雑で濃密、シェリーのようなニュアンスを持ち合わせています。
チキンの大葉バジル風ソースと合わせていただく熟成シュナン・ブラン。
終わってからのアンケートを見てみると3日間通してほとんどの方が、「好みだったワイン」にこれを選んでいました。
ニッチなワインのファンになっていただけたと感じて、ひっそり微笑んでおります。